〈冬木小袖〉ミク キービジュアル制作にあたって

〈冬木小袖〉ミク キービジュアル制作にあたって

―――今回〈冬木小袖〉ミクのキービジュアル制作のお仕事を受けたときに感じたことを教えてください。

大変光栄なお話をいただき驚きました。制作前に、実際に東京国立博物館を見学させていただいたのですが、歴史のある建物の雰囲気やそこで所蔵されている貴重な展示物に込められた思いが素敵で、今回このプロジェクトに参加させていただくにあたり、さらに気持ちが引き締まる思いでした。また、その時感じた気持ちをキービジュアルにも込めたいなと強く思いました。


―――作品の制作を通して、印象に残っているのはどんなことですか?

(楽しかったこと、苦労したことなどトーハクさん東京国立博物館)とのやり取りに関するエピソードなども教えていただけると嬉しいです) 

見学させていただいた際に、東京国立博物館の吹き抜けのエントランスにある大階段が印象的でしたので、その前にミクさんが立っている構図が思い浮かびました。

元々博物館巡りが好きでしたので、とても貴重で楽しい時間を過ごさせていただきました。〈冬木小袖〉についても、丁寧なご説明や詳細な資料もいただき、今回のミクさんの衣装を考える上で大変参考になりました。

―――作品の中で、森倉さんのこだわりポイントがあれば教えてください。

〈冬木小袖〉の美しさを表現したいという思いが強く、トーハクさんとも相談しながら、ミクさんの衣装を考えさせていただきました。元々の着物の美しい印象を損わないよう気を付けながら袖や裾の長さを伸ばし、より華やかに見えるような形にアレンジさせていただきました。 また、衣装デザインに尾形光琳らしさをさらに取り入れたいと思い、流水紋や 燕子花(かきつばた)などのモチーフを帯に入れました。

背景には、和柄を取り入れることで、東京国立博物館で感じた歴史を感じる重厚な雰囲気を演出してみました。 


―――普段のイラスト制作と違っていた点や、普段より時間がかかった点などがあれば教えてください。

普段のイラストと比べると引きの構図で、ミクさんが画面に対して小さくなるので、それでも存在感を持たせられるように全体の色合いのバランスを意識しました。東京国立博物館の建物が持つ重厚さや、吹き抜けのエントランスの天井が高く広々とした雰囲気を出したいという思いがあり、全体の色味などの調整に時間がかかりました。


―――〈冬木小袖〉修理プロジェクトに参加いただく方へのメッセージをお願いします。

文化財は、私にとってこれまで博物館などで鑑賞するものといったイメージでしたが、今回のプロジェクトに参加させていただいたことで、その一つ一つがこれまで誰かの手で守られ受け継がれてきた大切なものだということを知りました。

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重要文化財「小袖 白綾地秋草模様(こそで しろあやじあきくさもよう)、通称〈冬木小袖(ふゆきこそで)〉」は、尾形光琳が約300年前に自ら筆をとって秋草を描いたきものです。それを修理し、後世に伝えていく一端を担うことができるこの機会に、ぜひご参加いただけましたら幸いです。
〈冬木小袖〉修理プロジェクトの詳細はこちら

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森倉円(もりくら えん・En Morikura)

イラストレーター。思わず触れたくなるような柔らかい髪の質感や吸い込まれそうな瞳の表現を使い、日常の中にある少女たちの「かわいい」仕草や瞬間を、優しい色づかいとタッチで描く。

代表作:バーチャルYouTuber『キズナアイ』キャラクターデザイン、マルイCM・オリジナルアニメ『猫がくれたまぁるいしあわせ』キャラクター原案・デザイン、日本郵便『年賀状トレード』スペシャル年賀状イラストなど。

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